B型肝炎治療


B型肝炎など治療法紹介 神戸で肝臓学会市民講座  肝臓学会市民公開講座=神戸ハーバーランド、神戸新聞松方ホール  神戸 B型、C型肝炎の最新治療法を学ぶ「肝臓学会市民公開講座‐近畿地区」(日本 肝臓学会主催、神戸新聞社共催)が15日、神戸ハーバーランドの神戸新聞松方ホールで 開かれた。患者や医療関係者ら約500人が専門医の話に聞き入った。  B型肝炎について、兵庫医科大内科学肝・胆・膵(すい)科の齋藤正紀講師は、肝硬変 や肝がんの原因の2割近くを占め、感染の時期によって病気の経過が違うことを説明。厚 生労働省の研究班が作成した治療指針で、35歳未満には免疫力を高める「インターフェ ロン治療」、35歳以上にはウイルスを抑える「核酸アナログ製剤」が中心になったこと を紹介した。  一方、大阪大大学院消化器内科学の平松直樹講師は、C型肝炎では薬が効きにくい遺伝 子型でウイルス量の多い患者が、7割近くを占めることを報告。インターフェロンより持 続性がある「ペグ・インターフェロン」と「リバビリン」という内服薬の併用で治療効果 が高まったことなどについて触れた。 (金井恒幸) (2011/01/16 12:07) -------------------------------------------------------------------------------- B型肝炎検査薬、厚労省が初承認 遺伝子タイプを判定 2010年10月29日  国内の患者・感染者が100万人を超えるとされるB型肝炎で、ウイルスの遺伝子タイ プを判定する検査薬が初めて厚生労働省の製造販売承認を受けた。年内にも医療関係機関 向けに販売が始まる。タイプごとに症状や治療効果に違いがあるが、国が承認する検査薬 はなかった。患者に最適の治療法選びに役立つと期待される。  メーカーは特殊免疫研究所(本社・東京)。この検査薬では、患者の血液からB型肝炎 の四つのタイプを判定できる。4タイプは、がんになりやすい年齢や治療方法、治療薬の 効果にも違いがある。  これまで検査薬は研究用しかなく、医師の診断用には使えなかった。一方、厚労省研究 班の治療指針では「タイプを測定して治療法を決定することが望ましい」とされ、ちぐは ぐな状態だった。診療現場では検査薬が使えないため、一般的な治療を重ねるしかなかっ た。今後、公的医療保険の適用を申請する予定。  国立国際医療研究センター国府台病院の溝上雅史肝炎・免疫研究センター長は「承認は 専門家の間で待ち望まれていた」という。(編集委員・浅井文和)朝日新聞 -------------------------------------------------------------------------------- 増える欧米型のB型肝炎ウイルス 性行為などで感染→慢性肝炎に 産経新聞 1月11日(火)7時56分配信  かつては母子感染がほとんどだった日本のB型肝炎。最近は性行為などで欧米型のB型 肝炎ウイルス(HBV)に感染するケースが増えている。欧米型のHBVは慢性化する可 能性があり、感染によって肝硬変や肝臓がんとなるリスクもある。現在の日本の肝炎対策 では欧米型のHBVの感染予防は難しいだけに、対策の見直しを求める声も上がっている。 (平沢裕子)                    ◇  ◆大都市圏で増加  HBVは感染者の血液や体液を介して感染する。感染時期や感染時の健康状態によって、 一過性に発症する急性肝炎と持続感染による慢性肝炎とに分かれる。慢性肝炎は症状がな く自覚しない人が多いが、中には肝硬変、肝臓がんと病気が進む人もいる。  感染原因は、乳児期にはHBVに感染した母親の産道を通ることなどによる母子感染、 成人では性行為による感染が多い。  HBVにはAからJまで10の遺伝子型があることが確認されている。従来の日本に多 いのが遺伝子型BやCで、乳児期の感染で慢性化するものの、成人後の感染では急性肝炎 を経て自然治癒(少量のウイルスは残留)するか、症状がないままウイルスが排除される かで、慢性化することはほとんどなかった。  一方、欧米に多いのが遺伝子型Aで、成人後の感染でも約10%が慢性化する。  国立国際医療研究センター肝炎・免疫研究センター(千葉県市川市)の溝上雅史センタ ー長らが平成12年と18年、慢性肝炎患者のHBVの遺伝子型を分析したところ、欧米 に多い遺伝子型AのHBVが12年に12人(対象者の1・7%)、18年には44人 (同3・5%)確認された。  溝上センター長は「まだ少ないとはいえ、本来は日本に存在しない欧米型のHBVの感 染者が日本でも明らかに増えてきている。主に性行為による感染とみられ、関東、東海、 近畿の大都市圏で若年層を中心に急増している」と指摘する。  ◆ワクチン接種も  成人後の感染は性行為のほか、持続感染者の血液が付着したカミソリやピアスの穴開け 器具を別の人が使うことでも起こる。従来の日本に多い遺伝子型のHBVは、たとえ感染 しても慢性化しないことから成人後の感染をそれほど気にする必要がなかった。このため 日本では母子感染対策に重点が置かれ、高い成果を上げてきた。  しかし、欧米型のHBVは成人後の感染でも慢性化のリスクがあり、従来の母子感染対 策だけでは感染の広がりを防ぐのは難しい。海外では感染予防のためB型肝炎ワクチンを 小児に投与する国が多い。日本では医療従事者へのワクチン接種は行われているが、小児 への投与は特に推奨されていない。  溝上センター長は「HBVが性行為などで感染する可能性があることを多くの人が知る 必要がある。がん予防という意味ではB型肝炎ワクチンは子宮頸がんワクチンと同じ。今 後は思春期前の子供への接種を検討することも必要ではないか」と話している。                    ◇  ≪肝炎対策≫  肝炎は肝臓の細胞が破壊されている状態で、日本では7割がC型肝炎ウイルス(HCV) 、2割がHBVに感染することで発症している。肝臓は予備能力が高く、慢性肝炎や肝硬 変になっても自覚症状が出ないことが多い。国は平成20年度から肝炎ウイルス検査の促 進や肝炎に関する正しい知識の普及などを盛り込んだ肝炎対策を進めている。ただ、ウイ ルス検査を受ける人がそれほど多くないことに加え、検査で陽性でも適切な治療につなが らなかったり、治療を始めても途中でやめてしまったりする人もいるなど課題は多い。
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